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うつつなき太守(なりきりです)による歴ヲタの備忘録

吉川英治『私本太平記』の鎌倉炎上、北条高時最期の場面を読み返してみたが…世の中、謡のようには参らん

今日5月22日は、北条一門が自刃し、鎌倉幕府が滅亡した日。ということで、パラパラと吉川英治さんの『私本太平記』を読み返してみた。同書の北条高時の名台詞などをご紹介するので、味わってほしい。 北条高時腹切櫓(神奈川県鎌倉市) 生来、蒲柳の質だっ…

赤橋守時、鎌倉幕府最後の執権〜一日一夜に65度も吶喊、洲崎に散る

鎌倉市は深沢地域。ちょうど湘南モノレールの湘南深沢駅近くに洲崎古戦場跡碑がある。このあたりから町屋、山﨑あたりは鎌倉末、赤橋守時が自刃した洲崎合戦があったところじゃ。赤橋守時といえば、大河ドラマ「太平記」で勝野洋さんが好演していたのを記憶…

鎌倉幕府は「どこ」にあったのか?〜大蔵御所、宇都宮辻子御所、若宮大路御所

鎌倉幕府はどこにあったのか。御所(政庁)の位置と雑文を書いてみたぞ。 大蔵幕府跡

花山院闘乱事件(長徳の変)〜些細な女性問題から藤原道長と藤原伊周・隆家の権力闘争へ

長徳2年(996)1月16日、藤原伊周、隆家兄弟が花山法皇に矢を射かける事件が起きた。花山院闘乱事件じゃ。これにより中関白家の伊周と隆家は失脚したのじゃが(長徳の変)、今回はこの事件について詳しくみていこう。 花山天皇

藤原隆家、天下のさがな者〜刀伊の入寇を撃退した武闘派貴族

今回は天下のさがなもの・藤原隆家についてじゃ。あの藤原道長も一目置いた中関白家の荒くれ者で、刀伊の入寇を撃退したことでも有名じゃ。大河ドラマ「光る君へ」では、竜星涼さんが演じるとのことで話題じゃな。 藤原隆家

三浦道寸・義意 VS.北条早雲 油壺新井城の戦い〜討つものも討たるる者もかはらけよ

GWに油壺に行ってきたので、今回は三浦義同・義意父子について書いておく。三浦党といえば、義村、義澄、大介義明が有名じゃが、こちらは戦国時代の三浦氏じゃよ。 三浦義意(左)、三浦義同(右) 戦国時代へとの続いた三浦氏 ご存知の通り、鎌倉幕府で一時…

三浦大介義明と衣笠城合戦〜鶴は千年、亀は万年、三浦大介百六つ!

鶴は千年、亀は万年、三浦大介百六つ!。今回は三浦義明と衣笠城合戦についてじゃよ。 三浦大介義明坐像(満昌寺蔵)

源頼朝上陸地〜石橋山に敗れた頼朝はなぜ房州で再起できたのか

浦賀水道を渡り、安房へ行って来たんじゃが、源頼朝公が上陸した地の石碑があったので、今回は石橋山の戦い後、安房に逃れた頼朝公がどう行動したのかを紹介してみたいと思うぞ。 源頼朝上陸地

天璋院篤姫は何をした人?〜女の道は一本道。大奥のこと、和宮との関係、 猫のサト姫も!

薩摩を旅したときに天璋院篤姫さまにもお会いしてきた。篤姫さまといえば、宮﨑あおいさんの大河ドラマが印象的で、最近では北川景子さん、上白石萌音さんも素敵じゃったな。 天璋院像(鹿児島市 鶴丸城内) 島津分家の今泉島津家から将軍家御台所に輿入れ …

西南戦争・城山の戦いの地を西郷隆盛を偲んで歩いてきた

太守の鹿児島訪問記の最後はやはり「西郷どん」リスペクトで城山じゃ。鹿児島の市街地の中心部に位置する標高107mの城山は、錦江湾や桜島が望めるスポット。西南戦争最後の激戦が行われ、西郷隆盛が自刃した場所として有名じゃな。 城山展望所から眺める桜島…

泣こよかひっ飛べ!薩摩の士風と郷中教育~なぜ、下加冶屋町からこんなに偉人が出たのか

鹿児島を漫遊したとき、歴史ロード「維新ふるさとの道」をぶらぶらした。この甲突川沿いの下加冶屋町は、西郷隆盛、大久保利通、東郷平八郎ら幕末明治の偉人を多数輩出している地域じゃ。川岸約440mには、そのことを顕彰し、歴史を学べる解説板が設置してあ…

「島津に暗君なし」は本当か? 仙巌園を歩いて島津と薩摩について考えてみた

太守の鹿児島訪問記、名勝「仙巌園」(せんがんえん)に行ってきたので、今回は薩摩の島津氏についてじゃよ。 島津家別邸 名勝「仙巌園」 島津氏の出自~鎌倉から南北朝、戦国まで 島津氏の発祥。初代・島津忠久は源頼朝の落胤? 南北朝の内乱。島津貞久、三…

宇喜多秀家公潜居地跡~薩摩は牛根郷へ逃げた豊臣の貴公子を偲んで

太守の鹿児島訪問記。今回は垂水市牛根麓にある宇喜多秀家公潜居地跡についてじゃ。以前、八丈島に行ったとき、宇喜多秀家の墓参りをしたのじゃが、じつはそのときから機会あれば牛根にも訪れてみたいと思っていたんじゃよ。 ちなみに八丈島に秀家の墓を訪ね…

戦艦大和、第2艦隊の御霊に捧ぐ~枕崎の平和記念展望台に行ってきた

先日、所用があって鹿児島を訪問したので、枕崎まで足を延ばしてきた。目的地は、坊ノ岬沖海戦で海に沈んだ戦艦大和乗組員ら英霊たちを慰霊する平和祈念展望台じゃ。映画「男たちの大和/YAMATO」公開時には、ずいぶん注目のスポットだったようじゃが…

三浦義村の最期~三浦半島は金田湾岸、南向院跡にある墓前で合掌

きょうはぷらっと三浦半島の金田湾へ。金田湾は久里浜の南、県道215号沿いに広がりのんびりした海岸で、朝市も行われてる。ただ、今日の目的はお魚ではない。三浦義村の墓前に手を合わせてきたぞ。 つねに北条義時に与した三浦義村 三浦義村の急死。死因は脳…

嘉暦・元徳の騒動~北条高時、長崎円喜粛正を企てるもあえなく失敗した件

北条高時といえば、内管領・長崎円喜や外戚・安達時顕に政務を任せ、自らは犬あわせ(闘犬)と田楽にうつつをぬかした暗愚な人物、というのが世間一般の見方のようじゃな。この点については「太平記」はかなり大げさに書いている。さりとて全否定することは…

卯年生まれの戦国武将など歴史人物や有名人を調べてみた

令和4年(2023)は卯年である。そこで卯年生まれの歴史人物、戦国武将、幕末英傑、などなどをまとめておくぞ。 源頼朝~日本初の武家政権をつくった鎌倉殿 源義経~九郎判官、悲劇のヒーロー 北条泰時~御成敗式目を定めた名執権 伊達政宗~奥州の独眼竜は…

六代御前・平高清の墓~御最期川畔にあるにある平清盛嫡流終焉の地

逗子の田越川畔に「六代御前の墓」がある。かつて田越川のほとりは刑場であったことから「御最期川」とも呼ばれていたそうじゃが、六代御前は今から800年ほど前の正治元年(1199、諸説あり)、このあたりで処刑されたと伝えられている。 田越川(神奈川県逗…

安東忠家のこと~金窪行親とともに北条義時を支えた御内人

北条義時公を支えた側近、御内人として忘れてはならないもう一人が安東忠家じゃ。安東忠家と金窪行親はニコイチな名コンビとして『吾妻鏡』に登場してくる。そこで今回は安東忠家について紹介するぞ。

善児のモデル? 金窪行親のこと~北条義時を支えた謎多き御内人

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、源頼朝公の退場が迫ってきた。これからは北条が、義時公が鎌倉のてっぺんになっていくわけじゃ。ところで、100年以上にわたり北条得宗家を支えていくのが御内人である。今回は、得宗被官、御内人の嚆矢のひとりというべき「金…

坂本龍馬の妻・おりょう(龍子)のこと~「まことにおもしろき女」の晩年

先日、横須賀をぶらぶらと歩いておったら、坂本龍馬の妻・お龍さんと会ったぞ。そういえばこの日は旧暦で、お龍さんの誕生日なんじゃな。竜馬の妻・楢崎龍は天保12年6月6日(1841年7月23日)の生まれ。幕末最大のヒーローの妻にしては、その晩年は寂しく、悲…

曾我兄弟の仇討ち—目的は頼朝暗殺?北条時政が黒幕?それとも範頼を担ぐ御家人のクーデター?

赤穂浪士の討入、伊賀越の仇討とならんで、日本三大仇討のひとつとされる曾我兄弟の仇討。この事件、たんに曾我兄弟が親の仇を討ったというだけではなく、じつは源頼朝公暗殺を目的としたものであったという説があるようじゃ。

スクープ!源頼家による安達景盛側室横恋慕&強奪事件の顛末

蹴鞠にうつつをぬかし、政治をほったらかしにしたなど、なにかと評判がよろしくない2代将軍源頼家公。その理由によく出てくるのが、土地をめぐる訴訟で「領地の多い少ないは運しだいだから、ごちゃごちゃいうな!」と絵図に一本線を引いた話じゃが(『吾妻…

新宮十郎・源行家のこと~弁舌鮮やかだけど、やっぱり疫病神の叔父上さま

「源行家。彼を味方をつけた者は、必ず負けるという死神のような男。鎌倉方に捕まり、首をはねられるのは、これより少し後のこと」……。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、長澤まさみさんのナレーションでけちょんけちょんの評価を受けた杉本哲太さん演じる源…

源義経の「腰越状」を超訳してみた

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、菅田将暉さんの九郎判官こと義経殿がやばいといわれている。しかし、兄弟の思いがすれ違っていくことに、やっぱりわしは涙を禁じ得ない。そこで、九郎殿が頼朝公に宛ててその思いを綴った「腰越状」を超訳しながら、その思…

甲斐源氏・一条忠頼暗殺のこと~なぜ源頼朝に殺害されたのか

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、父・武田信義とともに源(木曾)義高をそそのかしたことで頼朝公に殺されてしまった一条忠頼。その真相はよくわからないところが多いが、よいきっかけなので整理しておこう。 一条忠頼之墓(山梨県南巨摩郡富士川町、Wikipe…

朝夷奈切通から上総介塔へ、上総広常を偲んでぶらぶら歩いてきたぞ

GWということで、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で話題沸騰した上総広常を偲び、朝夷奈切通をぷらぷらとしてきた。朝夷奈切通は鎌倉七口のひとつで、神奈川県鎌倉市十二所から横浜市金沢区朝比奈町を結ぶ中世の古道じゃ。これから行こうという人もいるかもな…

源範頼の起請文と悲運の最期〜蒲殿はなぜ殺されたのか?

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、菅田将暉さん演じる源義経がいかにも「やばいやつ」として注目されているな。それに比べて対照的に、実直でなかなか「よい人」として描かれているのが迫田孝也さん演じる源範頼じゃ。そこで今回は、蒲殿こと源範頼殿につい…

上総広常はなぜ殺されねばならなかったのか

すっかりごぶさたしてしまったが、きょうは書かずにはおれまい。そう、上総広常のことを。「鎌倉殿の13人」第15回「足固めの儀式」は、まさに神回じゃったぞ。 上総介広常(大日本六十余将 Wikipedia)

源頼家のこと~暗君か、暴君か、悲運の2代目鎌倉殿

今日は源頼家公について。頼家公といえば、大河ドラマ「草燃える」では郷ひろみさんが演じ、その印象が強いのじゃが、「鎌倉殿の13人」では、金子大地さんが演じることになっておる。 源頼家役の金子大地(「鎌倉殿の13人」)と郷ひろみ(「草燃える」)